箱根を旅した

箱根湯本から芦ノ湖までを旅した。

箱根湯本からカルデラに入る。 湯本までは山の麓に市街地が広がっているが、その先は山腹に集落が点在する。 道路は坂が激しく、電車は登山鉄道に変わる。

山の中にいくつか温泉郷があり、温泉宿やホテルなどが坂道の途中に並んでいる。 町はそれほど広くははないが、東海道箱根登山鉄道が走っているせいか、そこそこ栄えている。

山を登った先の小涌谷には大型ホテルが立ち並ぶ。 その上の強羅には庭園や旅館があり、さらに上の仙石原にはたくさんの美術館が立っている。 観光施設が山の中に散っているのでバス網が発達している。 バスや乗用車に乗る観光客は多いが、徒歩や自転車で移動する人は少ない。

箱根登山鉄道の車内では、険しい山を登るためにスイッチバックや短い車体などの工夫をしているというアナウンスを聞けるが、 強羅の急坂はそれでも超えられないようで、登山鉄道からケーブルカーに変わる。 ケーブルカーで坂を登った先は山を超えるロープウェイにつながっている。

ロープウェイに乗ると大涌谷に付く。 山肌から蒸気と硫黄が湧き出しているのがゴンドラから見下ろせる。 ロープウェイを降りたところでも、地面のあちこちから蒸気が上がっているのが見られる。

山頂には土産物屋や食堂と広い駐車場があり、観光客で賑わっている。 火山を見学できる施設があるが、今は閉じられている。

箱根ロープウェイでは、蒸気ガスへの注意喚起が多言語でなされている。 大涌谷ではいわゆる硫黄の臭いを強く感じたが、箱根の多くの場所では弱い臭いがする。 仙石原の近くに、黄色い沈澱と硫黄の臭いが目立つ川があったが、大涌谷から流れてきたものだろう。

ロープウェイで山を降りると、芦ノ湖の北岸に着く。 箱根湯本から、登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェイと乗り継いできたが、ここでは船に乗り換えられる。 港が2つあって、それぞれから芦ノ湖の南岸までの定期連絡船が出ている。

カルデラの外輪に沿ってできた芦ノ湖は円弧を描く。 湖には大型船が行き来していて、港があるところは観光客で賑わっている。

南端にはロープウェイの駅と港があり、北端にも港と町がある。 弧の間の部分は、両側を山に挟まれているせいもあって、建物がほとんどない。 特に西岸は道路さえないようだった。

芦ノ湖の東岸には遊歩道があり、徒歩か自転車で通るひとも少しいた。 中ほどには九頭竜神社があり、神社のそばにには閉鎖されたコテージが並んでいる。 南の方には水族館と温泉があり、船やバスで多くの観光客が訪れている。

芦ノ湖の南端には町がある。 観光客向けの店もあるが民家が多い。 朱塗りの鳥居が何基かあって撮影スポットになっている。

箱根細工を売っている店もいくつかある。 寄木の箱や日用品の他に、寄木細工を使ったからくり箱と、そこから派生したのか木製のパズルが多く並んでいる。

湖岸を南に行くと箱根の関に着く。 関所と門が資料館になっていた。